
現在開催中のEXPO 2025 大阪・関西万博、「ギャラリーWEST」にて、9月26日~29日の4日間 展示予定。
「アートする里海」をテーマに開催される、香川県の魅力を伝える展示にて、香川の海周辺で集めた海ごみを実際に使用した立体作品とスツールを展示します。

香川の海ごみと生物たちの実状。
香川での制作に取り掛かるにあたり、「香川の海ごみ」について学ばさせていただきました。
まず、香川の海に浮かぶマイクロプラスチックとそれに付着する生物を実際に観察しました。高松沖の潮目や、そこに集まるマイクロプラスチックと生態系に関する調査・研究をされている中國先生(香川大学 特命助教)引率のもと、船にて学生と一緒に潮目に集まるマイクロプラスチックを回収。その後、顕微鏡でマイクロプラスチックに付着してる生物を観察しました。

顕微鏡でマイクロプラスチックに付着したものを見てみると、想像を超える大量の底生珪藻がいました。一見ただのビニールごみの破片も、小さな生き物たちにとっては船になりうるということを、実際の姿を見て改めて理解しました。

作品の材料調達も兼ねて、もう少しサイズの大きい海ごみに関しても、船で調査に行きました。ある島の沖に見える白い点々。近づくとそれらは全て発泡スチロールブイでした。瀬戸内海は養殖業が盛んであり、牡蠣などを養殖する際に使用する筏に、この発泡スチロールブイが使われるのです。

藝大にて作品の試作を制作。
扱う素材の特性とそれぞれの相性を考えながら、香川県で実際に目にした風景や形を参考に、作品の形状を決定しました。

強度の検証については、モデリングによる構造解析と実物の圧縮試験の両方を実施しました。

香川大学にて素敵な仲間たちとコツコツ制作。
香川県の漁港や島各地から拾い集めてきた、「発泡スチロールブイ」と「黒ブイ」と「漁網」が今回の作品の材料になります。香川大学の作業場所をお借りして、今月より本制作を始めました。

現在は、発泡スチロールブイを溶剤で溶かし、おもちのような柔らかい素材(「スチレンもち」と呼んでいます!)にしたものを黒ブイにくるくると巻きつけて、球体を沢山作っています。拾ってきた発泡スチロールブイには、元々あった場所の特徴や年月が深く刻まれていました。今回は作品の各所にその名残りを残しつつ、発泡スチロールの白さも活かした作品を目指します。

発泡スチロールの中の白い部分を集める作業がかなり大変。そんな作業中の谷口の姿を、夜、学生寮から発見した香川大学の学生らが興味を持ち、授業やサークル活動の合間をぬって、有志でお手伝いしてくれています。本当に嬉しい…。作品の一部を見た学生から、新鮮な意見もいただき、制作する上での参考にしています。

まだまだ道のりは長いですが、これからも暑さに負けずに完成を目指します。
完成した作品の姿は、是非万博会場にてご鑑賞ください!
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